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エネルギー・マネジメント・システム分野
HEMSやBEMSにおける快適性を的確に把握する低コストなセンサネットワークの構築による、快適性の維持とエコの両立の推進を目指しています。また、気象データとのクロスオーバーによる、将来のエネルギー需要予測、測定した環境データを利用した医療レコメンデーション、農作業量に応じた家庭環境快適性の提供、さらにはソーシャルキャピタル指数を取り入れた省エネ活動レコメンデーションなど、グリーン社会ICTライフインフラにおける様々な連携を目指しています。
また、次のような要素技術の開発も行っています。
スマートフォンを利用した活動量推定
スマートフォンが備える加速度センサから活動量を推定し、住人の行動に応じて、例えば炊事や掃除、居眠りといった行動に合わせて夏冬ともに適切に制御します。また、居住者は、スマートフォンを利用して、システムにどの程度のエコを行いたいのかを指示することができ、またシステムからスマートフォンを通して居住者にエコガイド(省エネ活動レコメンデーション)を行うことができます。これは、究極的には「見せない化」といえます。 消費エネルギー量をグラフなどで見える化しても、データばかりでどのように行動してよいかわからず、「エコは難しい」と感じている方であっても、簡単にエコ生活を送ることができるようになります。
スマートフォン画面
二酸化炭素濃度を用いた人数推定と住環境測定用風速センサを利用した快適性利用
空調を利用しているときは部屋を締め切るため、二酸化炭素濃度が上昇します。この濃度の変化速度を測定することで、「在室人数」を推定することや、二酸化炭素濃度と関係の深い「学習効率」を推定することが可能となります。人の多い部屋を優先して空調を行うことや、より正確な電力利用予測を立てること、さらに、電力削減が求められる場合、空調と換気それぞれにどの程度電力を当てればもっとも学習効率が向上するのかを考慮に入れた、よりスマートな制御が可能となり、さらに進んだ快適性を提供できます。また、住環境の快適性計測には、風速の測定が欠かせません。住環境における風速測定には、0.1m/sといった超微風を計測できなければならず、また、埃やセンサを手で触れることによる計測エラーを回避することや、風向も同時に図ることなど、様々な要求を満たさなければなりません。従来、これらを満たすセンサは存在しませんでした。新しい風速センサを開発し、住環境のより正確な快適性測定を可能としています。
- 居住環境で利用でき、小型で0.1m/s 程度の超微風や風向を検出できる風速センサを開発し、より細やかな快適性計測と制御を可能とします。
- 開発した風速センサは比較的安価に構築できるため、今後の実用化が期待できる技術です。
システム構成
学習効率10%改善制御実験結果
各制御による目標到達までに必要な消費電力量[Wh]
- パターン①が最大消費電力量で665.3Wh、最小消費電力量はパターン③で16.1Wh。
- インバータ制御を行ったパターン②に比べ、パターン④の方が消費電力を削減できている。
空調機に比べ換気は低消費電力量で学習効率を改善でき、非常に有効な手段であることを示した。
空調機におけるPMV及び消費電力の変化
空調機におけるPMV及び消費電力の変化
換気扇における CO2 濃度及び消費電力
塩素センサによる水質を考慮したプールのポンプ制御
プールなどのポンプはかなりの電力を消費します。本研究で対象としている温泉施設のプールは60Kwhのポンプが取り付けられています。このポンプと塩素投入機を制御し、プールの塩素を計測しながら、その拡散を計算で推定しつつ、必要な塩素濃度と水質を維持するように、適切にポンプを止めるシステムを構築し、実証実験を行っています。
循環ポンプ制御によるデマンドコントロールにおける効果の計算
デマンドコントロールにおける効果を計算した結果、1日における消費電力を8%削減し、かつピーク電力を30kW低減できることが示されました。また、電力の基本料金を年間で570,780円削減可能であることが示されました。
HEMS実験
一般民家16軒を対象にした、HEMS実験を開始致しました。冬季暖房需要の多い地域でのHEMSの集中投入実験は例が少なく、石油ストーブなど化石燃料を利用した様々な空調器具のエネルギー消費量をリアルタイムに計測した、従来にないHEMS実験を行っています。
夏のピーク削減といった暑い地方だけでなく、冬におけるHEMSは、特に二酸化炭素排出量削減に大きく寄与できます。HEMSの導入を進め、電気利用量削減だけでなく、地球と人にやさしいHEMSの提案を続けていきます。
電力削減率
電力削減率は平均22.4%(15.4% ※最大値を省く)
空調制御時のPMV値は-0.5~0.5の範囲内